【GICSとICB】外国株式の業種(セクター)分類基準について

GICS&ICB(外国株式の業種分類基準)

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GICS&ICB(外国株式の業種分類基準)

本記事では外国株式における業種の分類について解説します。

よいすけ
どうも、小口投資家のよいすけと申します。
日本株をはじめ、いろんな投資商品に少額投資しております。
今回はアメリカ株などの外国株式における業種分類基準についてまとめました。
銘柄選びやポートフォリオの管理に役立つ内容だと思います。
ぜひ最後までお読みください。

代表的な業種分類の基準として以下の2つがあります。

代表的な業種分類基準

  1. GICS
  2. ICB

両者ともに機関投資家などによって、業種ごとの業績や株価の調査・分析のほか、ポートフォリオの管理などのために広く利用されています。

また、外国株式を投資対象とした投資信託が公表している組み入れ銘柄の業種別比率はGICSかICBが基になっていることがほとんどなので、個人投資家の方もこれらの分類基準に接する機会は少なくないと思います。

では、それぞれ詳しく見ていきましょう。

日本株においては通称「東証33業種」と呼ばれる業種分類が一般的です。

GICSとは?

GICSとは「Global Industry Classification Standard」の略称で、世界的に利用されている業種分類基準です。

日本語では「世界産業分類基準」と呼ばれます。

1999年にアメリカの格付け会社であるS&Pと株価指数の算出やポートフォリオ分析などを行うMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)によって共同で開発されました。

GICSの構造

GICSは階層構造になっており、上から順に11のセクター、24の産業グループ、69の産業、158の産業サブグループという四層で構成されています。

GICSの4階層
出典・引用元:MSCIのサイト
https://www.msci.com/gics
けっこう細かく分類されるんですよね。
よいすけ

GICSのセクターと代表銘柄

GICSのセクターと各セクターの代表銘柄は下表の通りです。
銘柄は海外のセクター別ETFの組み入れ銘柄をもとにピックアップしました。

GICSの11セクターと代表銘柄
セクター 代表銘柄
Energy
(エネルギー)
エクソンモービル
シェブロン
Materials
(素材)
リンデ
BHP
Industrials
(資本財)
ハネウェル・インターナショナル
ユニオン・パシフィック
Consumer Discretionary
(一般消費財)
アマゾン・ドット・コム
テスラ
Consumer Staples
(生活必需品)
プロクター・アンド・ギャンブル
ネスレ
Health Care
(ヘルスケア)
ジョンソン・エンド・ジョンソン
ユナイテッドヘルス・グループ
Financials
(金融)
バークシャー・ハサウェイ
JPモルガン・チェース
Information Technology
(情報技術)
アップル
マイクロソフト
Communication Services
(コミュニケーション・
サービス)
アルファベット
フェイスブック
Utilities
(公益事業)
ネクステラ・エナジー
エネル
Real Estate
(不動産)
アメリカン・タワー
プロロジス
見慣れた企業名がいくつかありますね。
さて、ここまではGICSについて説明しました。
次はICBです。
ICBもGICSと同じく世界的に利用されている業種分類基準です。
よいすけ

ICBとは?

ICBとは「Industry Classification Benchmark」の略称で、世界的に利用されている業種分類基準です。

日本語では「業種分類ベンチマーク」と呼ばれます。

イギリスに拠点を置き、株価指数の算出や金融データの提供サービスを行うFTSEとアメリカの経済関連の出版・通信会社であるダウ・ジョーンズによって開発され、2005年に公表されました。

ICBの構造

ICBもGICSと同様に四つの階層構造になっています。
各階層は上から順に11の業種、20のスーパーセクター、45のセクター、173のサブセクターとなっています。

ICBの業種

ICBの業種は以下の通りです。
GICSのセクターと重複が多くなるので代表銘柄の記載は省略します。

ICBの11業種

  • Technology

    テクノロジー

  • Telecommunications

    通信

  • Health Care

    ヘルスケア

  • Financials

    金融

  • Real Estate

    不動産

  • Consumer Discretionary

    一般消費財

  • Consumer Staples

    生活必需品

  • Industrials

    資本財

  • Basic Materials

    素材

  • Energy

    エネルギー

  • Utilities

    公共事業

GICSの「セクター」とICBの「業種」の違い

GICSの「セクター」とICBの「業種」はどちらも四つの階層の最上部であることは共通していますが、それぞれの内容には若干の違いがあります

表にして見比べてみましょう。

比較しやすくするためにICBの業種名の並び方を変えました(GICSのセクターの並び方に合わせました)。

GICSの11セクターと代表銘柄
GICS ICB
Energy Energy
Materials Basic Materials
Industrials Industrials
Consumer Discretionary Consumer Discretionary
Consumer Staples Consumer Staples
Health Care Health Care
Financials Financials
Information Technology Technology
Communication Services Telecommunications
Utilities Utilities
Real Estate Real Estate

ほとんど同じですが、GICSのCommunication Services(コミュニケーション・サービス)に対してICBはTelecommunications(通信)となっています。
前者の対象となっている業種にはインターネットなどの通信だけでなく、通信を使ったサービス、エンターテイメントなども含まれます。一方、後者の対象は通信そのものに関連する業種(通信設備・機器も含む)です。

以下にそれぞれの対象業種・企業の例をまとめました。

Communication Services

対象業種の例
  • 通信
  • 通信を使ったサービス、エンターテイメントなど
対象企業の例
  • AT&T
  • ベライゾン・コミュニケーションズ
  • アルファベット(Google)
  • フェイスブック
  • ネットフリックス

Telecommunications

対象業種の例
  • 通信(通信設備・機器も含む)
対象企業の例
  • AT&T
  • ベライゾン・コミュニケーションズ
  • T-Mobile US

まとめ

最後に記事の内容をおさらいしましょう。

GICS
・Global Industry Classification Standardの略称で、世界的に利用されている業種分類基準
・日本語では「世界産業分類基準」
・1999年にS&PとMSCIによって共同で開発された
・11のセクター、24の産業グループ、69の産業、158の産業サブグループという四階層で構成されている

ICB
・Industry Classification Benchmarkの略称で、世界的に利用されている業種分類基準
・日本語では「業種分類ベンチマーク」
・FTSEとダウ・ジョーンズによって開発され、2005年に公表された
・11の業種、20のスーパーセクター、45のセクター、173のサブセクターという四階層で構成されている

GICSの「セクター」とICBの「業種」の違い
・GICS ⇒ Communication Services(コミュニケーション・サービス)
・ICB ⇒ Telecommunications(通信)

よいすけ
以上、外国株式における業種分類基準のGICSとICBについて紹介しました。
分散投資においては銘柄だけでなく業種の偏りを防ぐことも重要です。銘柄選びの際にはGICSやICBを意識すると良いでしょう。
それでは最後までお読みいただきありがとうございました。
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冒頭で「日本株の業種分類は『東証33業種』が一般的」と述べました。その33業種別の「営業利益率」についてまとめた記事もありますので、よろしければお読みください。

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